ドイツと日本は健康保険制度こそ似た部分がありますが、実際に診察を受けるとなると大きく異なります。アーヘンで安心して暮らしていく上での病院事情について紹介したいと思います。
かかりつけ医(Hausarzt)とは?
ドイツでは、かかりつけ医(Hausarzt)という制度があります。子供の場合、小児科(Kinderarzt)が、かかりつけ医になってくれます。大人の場合、「Hausarzt」と書いているお医者さんに行けば、かかりつけ医になってくれます(そうでない場合もあります)。
どうやって見つけるの?
ドイツ語が十分に話せない日本人にとって、お医者さんに行くことも難しい上に、さらに「かかりつけ医」を見つけるとなると難しいと思います。100%成功するかわかりませんが、私のとった方法は次の通りです。
[方法1] とりあえず行ってみる
電話をして予約しようとすると、「かかりつけ医(Hausarzt)は誰か?」だの、「すでに沢山いて、かかりつけ医には私はなれない」だの言われることがあります。このやりとりをドイツ語でするのは大変です。
そこで、軽い症状の風邪(鼻水が出る程度や、喉が痛い程度)の時に、いきなり病院に行ってみるというのが手です。そのまま、惰性的にかかりつけ医(Hausarzt)になってくれます。
また、子供の場合、アーヘン市から健康診断の受診について案内がくることがありますので、それを持って小児科に行ったときに「かかりつけ医になって?」と言ってもよいと思います。
[方法2] 知り合いに紹介してもらう
といっても、来てすぐに近所に知り合いがいるというのは稀だと思います。知り合いが紹介してくれた病院が「遠い」場合、無理にそこに頼みに行く必要はないと思います。
かかりつけ医は、ほとんどの病気の場合、まずそこに行く必要があります。高熱が出ているのに「車で30分」とか「バスで1時間」とかは、正直しんどいです。
絶対に「かかりつけ医」のところに行く必要がある?
そんなことはありません。私の経験および周囲のドイツ人から聞いたところ、
- 緊急時の診察
- 「かかりつけ医」がお休みの場合
- 専門的なお医者さん(たとえば耳鼻科)にかかりたくて、そのお医者さんが「かかりつけ医」を通じてで無くても何も言わない場合
などの場合は、「かかりつけ医」に行く必要は無いようです。ちなみに緊急診察などの場合は、「かかりつけ医は誰か?」と聞かれますので、覚えておくか、メモを取っておきましょう。
緊急の場合、どうするの?
救急車を呼ぶ
本当に救急の場合、救急車(Krankenwagen)を呼ぶ必要があります。電話番号は「112」です。居所(住所)や電話番号、症状を伝える必要があります。言葉が話せずにパニックになった場合、周りのドイツ人に助けてもらいましょう。ドイツ人は優しい人が多いので、多くの場合、助けてくれると思います。
(私の家族も、周りのドイツ人に助けてもらって、救急車を呼んでもらいました)
救急診療
救急車を呼ぶまでもないけど、救急の場合ってありますよね?また、ちゃんと設備の整ったところで診察してほしいなどもあると思います。そんな時、便利なのが、アーヘン工科大学の付属病院(Uniklinik)です。
救急の場合、電話をせずにいきなり行っても診察してくれます。入り口すぐの受付で「症状の説明」をすれば、専門の医科の受付を案内してくれます。私のケースでは、そのまま入院し、精密検査と共に容体が安定するのを確認して退院をしました。
Uniklinikは、大きな駐車場や、バス停(Uniklinik)もあります。
バスで行く場合は、3A番、3B番、4番、5番、21番、30番、32番、33番、45番、70番、73番、80番、103番、173番などのバスを利用できます。
緊急時に備えて、事前にシミュレーションをしておくことをおすすめします。
デュッセルドルフまで行く方がよい?
個人的には、「かかりつけ医」はアーヘン(家の近く)で探した方がよいと思います。なぜかというと、病気時に、デュッセルドルフに行くのはしんどいです。
ただ、出産などで、ある程度一連のスケジュールが見える時は、日本語が通じる施設に入院したいということがあるでしょうから、デュッセルドルフの病院でもいいかと思います。
保険について
ドイツの健康保険には「公的保険」と「プライベート保険」の2種類があり、私は「プライベート保険」に加入しています。私のケースでは、医療費の全額はもちろんのこと、救急車の料金、入院中の食事代(付き添いの人分まで)を保険でカバーすることができました。
保険については、以下のページを参考にしてください。